昨年の秋にようやく顔を見せてくれたシイタケ。今冬は新たなホタ木を追加することになりました。
既設の木のような状態をお見せできるのは、もう少し先の話になると思いますので、今回は以前お伝えできなかった植菌の様子をご紹介します。
写真に写っているのは菌糸の塊。木の木片(駒)を用いることから駒菌の名で呼ばれています。この駒を原木に打ちこみ、樹皮の下に菌が回ることで、シイタケの傘が開く下地が整うのです。
乾燥が進んだ原木を120cmくらいを目安に切りそろえたら、駒菌が埋められる穴を空けていきます。
穴と穴の間隔を15~20cmほど取りつつ、原木側面に千鳥状に満遍なく空け、菌が回るスペースを取ってあげることが大切です。
また、駒の長さよりも深く穴を空けて内部に空間を設けることで、菌が活着しやすい状態を作ることができます。
駒を穴にはめこんだら、手ごろな枝でトコトンと打ちこんでいきます。
菌が初めに回るのは樹皮と材の間。そこから辺材部分へと徐々に菌糸を伸ばしてゆきます。その層に駒が留まるよう、適度な力加減で打つのがコツのようです。
全て打ち終わったら、枕木の上に原木を井形に積み上げ、笹やスギ・ヒノキの枝で庇をかけて保湿してあげます。このように寒冷期に仮伏せを行うことで、他の菌の活性が低い間にシイタケ菌の活着が促されます。
埋め込んだ駒の表面が菌で白く染まる、あるいは駒を抜いた穴の内壁に白い菌が付着していれば、活着が進んでいる証。その段階からキノコの傘が開くまでは、さらに時間が必要ですが、ひとまずの支度は済みました。
原木に大きな変化が見られたときに、またご紹介したいと思います。